パパゲーノを知った日

こんな話は,周りにしても嫌な思いをさせるだけだし,そこまで親しい人間がいないということなのかもしれない。

 

これまでも生きづらいなって思うことはあったけど,ここまで追い込まれたことはなかた。

30才過ぎて,「楽になりたいと」という検索結果をみているうちにパパゲーノという言葉を知った。

要は「死にたいけど,何らかの理由で死なない選択をしている」ということらしい。

自分の理由はただ一つ,幼い子供達の存在。

 

子供たちの明くて,幸せな未来が約束されるならば今すぐにでもぱっと消えてしまいたい。

そんなことあり得ないとわかっているので,何とか踏みとどまる。

 

寝ると明日が来てしまうと考えるようになってしまった。

結局,くだらないネットサーフィンをしたあとに質の悪い睡眠をとって,朝を迎える。

 

また,朝が来た。今日が始まってしまったと。

専業主婦の妻は,今日も寝続けている。

在宅の日だと昼過ぎまで起きないので,午前中は活動しないらしい。

子供たちの朝ごはん,弁当,身支度,下の子を幼稚園に連れていく。

私のキャパでは,かなりの体力と精神力を使ってしまう。

 

家に戻れる時間では,会社の始業に間に合わない。

上の人間に小言を言われるが,もはやどうでもいい。

クビにしてくれても一向に構わない。

ただ,こちらから辞める度胸はないみたい。

辞めたいと何年も考えているが結局,行動していない。

 

残りの時間は,仕事に忙殺されるか,子供たちとの時間。

 

たまに父から連絡が入る。

胃が痛くなる。

 

金を貸してくれと。

高齢で自営業の父は,金を借りることのできるのが私か母親しかいない。

 

実家自体も裕福ではない。

縁を切ってしまいたいが,難しい。

 

言い訳ばかりで変わろうとしない父。

店を廃業して,アルバイトでもして借金を返して欲しいが無理という。

 

そしてまた,電話がかかってきて,金を貸してくれと。

私が,頑張って稼いだお金は父の電話一本で消えていく。

 

こうして,平日は終わっていく。

 

「パパ起きて遊んで,ごはん作って」

休日は,子供たちが起きる前に起きてランニングやジムで筋トレをしていた時期もあったが,前述のとおり生活希望をもてていないので,朝は地獄に変わった。

寝るときにこのまま目覚めなければどれほど楽かなって思ってしまうときがある。

 

休日が始まる。

妻は寝続けている。

休日は,平日よりも寝る。

1日中寝続けることもざらにある。

病院に言ったらというが,やれない理由を述べてやらない。基本的にやらない。

 

子供たちは,朝から元気。

育児,家事で休日が終わり,また平日がやってくる。

 

元々少ない友達がさらに少なくなっていく。

自分が変わらなければいけない点が多々あるのもわかっているが,そんな気力は湧いてこないし,どうでもいいと思ってしまっている。

 

ショーシャンクの空にという映画が好きで,その中で人生には希望が必要と確か言っていた気がする。

本当にその通りだと思う。

今の自分には,希望がないのだと思う。

何のために生きているのかわからないと感じる。

 

夜に人知れず涙が出るようになった。

昔から泣き虫ではあったと思うが。

 

岸田が,自分達の給料を増やすとかどうでもいいことをやっている。

政治に不満があるなら投票しろっていうけど,少なくともこの国に関しては無意味なのではないかと思う。

 

優秀で能力のある人たちが,こんな人たちをみて政治家になりたいとは思わないだろう。

 

追い込まれた中で,自分が知らないだけかもしれないが,自分が特殊なだけかもしれないが,この国に本当に苦しんでいる人を助ける仕組みはあるのだろうか。

 

妻の弟が結婚するらしい,どうでもいい。

その相手の実家が富裕層らしい。どうでもいい。

いつからこんな人間になってしまったのかわからないが,本当に何も感情が湧いてこない。

 

他人に対しての興味関心が本当になくなったなと思う。

荒んでしまったのか。これが自分の本質なのか。

本当は妬ましく思っていて,それを隠すためにどうでもいいと考えているのかもしれない。

もはや自分を見失っているなと感じる。

 

こんな状況にあっても闇はしまい込んで,生きていかなければならない。

あとどのくらい頑張れば,楽になれるのだろうか。

 

こんな話をできる相手は私にはいない。

誰にも話したことがなかった内容を誰の目にも止まらないであろうが,ブログという外部に発信する形でアウトプットできて,ほんの少しだけ心が落ち着いた。